さっき昼寝しているときに見た夢
ブラック・ジャックはかつて天才外科医としてその名を轟かせたが、今は落ち着いて街の小さな医院を任されている。 大病の患者などはあまりなく、ちょっとした風邪やなじみの患者を診るだけの穏やかな日々だ。 しかし最近、彼にはひとり気になる患者がいた。 明らかに内臓の悪い病気であり、オペをしなければならない。 そしてそれは大変なリスクを伴うオペになることは経験豊富な彼はわかっていた。 そしてその手術が彼以外には成功の見込みがないことも。 このまま知らないふりをして大学病院へ行きなさいと紹介状を書いて送り出せば済むことじゃないか。 何も自分がリスクを背負うことはない、とはじめはそう思っていたのだが、それでも、その患者のことが気になって仕方がなかったのだ。 ブラック・ジャックは自分に言い聞かせた「手術をしましょう。そう言うんだ。簡単じゃないか。昔はそうやっていただろう。手術をしましょう、手術をしましょう・・・」ブラック・ジャックは薬品や注射器を片付けながら、ひとりぶつぶつとつぶやいた。 その夜、ピノコがブラック・ジャックにこんなことを言い出した。 「先生。先生は本当は何人なの?ピノコは先生と一緒ならどこの国で暮らしても、貧乏でも全然平気よのさ」 なぜピノコが突然こんなことを言うのか、ブラック・ジャックにはわからなかったが、彼女の言葉に、なにか背中を押されるような気がして、言った。 「そうだな。何も今の暮らしが全てじゃないな。安定した生活、安定した収入、人生それだけじゃない」 次の日、彼が気にしていた患者がやってきた。 その患者は髭をたくわえた初老の紳士で、娘か嫁だろうか、女性に付き添われて、診察室にやってきた。 その紳士はブラック・ジャックに全幅の信頼をおいているようだった。 机に向かっていたブラック・ジャックは、彼に向き直ると、言った。 「手術が必要ですね。私が執刀します」 紳士は微動だにせず、その言葉を待っていたかのように静かに頷いた。 しかし嫁とそばにいた看護婦はたいそう驚いた様子だった。 看護婦はあわてて「先生、私が執刀って、何を仰ってるのかしら。すいません患者さん、違いますよ、間違いです」 看護婦はブラック・ジャックを奥の部屋まで引っ張り込むと言った。 「先生、手術なんて無理です。この医院には充分な設備がありませんし、先生も、もうずっと手術なんてしていないんですよ」 ブラック・ジャックは看護婦に「いいんだい。いんだ」と言って、彼女の手をそっと叩いた。 このあたりで目が覚めてしまった。 何か漫画をそのまま読んでいるような、本でも読んでいるような不思議な夢だった。 続きが見たいが、意味深な夢だったなあ。
by waldo_pepper
| 2006-04-29 17:54
| 昨夜見た夢
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