「キング・コング」

f0011272_13163573.jpgロード・オブ~で大成功を収めたピーター/ジャクソン監督が映画史上最高額の製作費を投じてつくりあげたと聞いては観ないわけには行かないでしょう!
ということで、年末に観て来た。

クリスマス後の平日の地方都市シネコンのレイトショー。客の入りは3割くらい。男女比は半々くらい。

物語はオリジナルを踏襲していて、切羽詰った映画製作者のカール(ジャック・ブラック)が、ひょんなことからアン(ナオミ・ワッツ)をスカウト、髑髏島にロケに向かう所から始まる。
しかし、その導入だけで30分。小さい子は飽きてしまうかも知れない。
だが最初のシーンでまず注目すべきは完璧に再現された1930年代のNYの街並み。
通行人から車、街並み、遠景に至るまでこれだけで幾らかかっているんだと感嘆するほどの完璧な作りこみだ。
これだけのリアリティで圧倒して、観客をスクリーンの向こうに放り込もうというのだろうか。
とにかくここだけでも凄まじい予算がかかっているはず。

いよいよポンコツ船をチャーターして外洋に出るわけだが、またこの船、実物とセット、CGを使い分けているはずだが、どこで切り替えているのかわからないほど技術的に素晴らしい。
そして髑髏島に到着、原人達との遭遇、そして、アンがさらわれ、生贄となってしまう。
森の中から現われるコング。
ここまでで1時間。

このあとは1時間以上にわたって髑髏島でのコングと恐竜達の戦い、救出に向かうカール達が遭遇する身の毛もよだつような巨大昆虫、恐竜、未知の生物との死闘が繰り広げられる。
ここでもジャクソンは手抜きなし。これでもかこでれもかと畳み掛けるジェットコースターのようなシーンの連続。
このあたりはリアリティというよりも活劇的なアクションが主体だろうか。普通なら死んでるだろうというところでも、登場人物はかすり傷程度だ。
その合間を縫ってこの物語の主軸、コングとアンの愛の芽生えもしっかりと描かれる。

やっとの思いでアンを救出、そしてカール達はアンを追いかけてきたコングにクロロホルムをかがせ、見世物にするためNYに連れ帰る。

一躍時の人となったカールは、下品な演出で囚われの身になったコングのお披露目ショーを開催するのだが、ここのシーンもすごい。舞台も大勢のダンサーを使って豪華絢爛に演出。カールと人間界の醜さを皮肉ります。野蛮なのは一体どちらなのかと。

目覚めたコングが、アンと同じブロンド女優をみて、彼女を思い出す。
ここからが終りの始まりだ。
コングは鋼鉄製の鎖を引きちぎり、逃げ惑う人々を蹴散らして(まさにその通り蹴散らしてしまう)アンを探してNYの街を走る。
ブロンドの女性を片っ端から捕まえては「彼女じゃない」と放り投げ放り投げ・・・残酷なシーンだが哀しいシーンでもある。

やがてエンパイアステートビルの頂上に登りつめたコングに米軍の複葉機が次々と襲い掛かる(ジャングルでのコウモリとの戦いの伏線)。
このシーンは夜明けなのだが、段々と日が昇る摩天楼が鳥肌が立つほど美しい。そして複葉機の浮遊感の演出。

この作品、興行的には今ひとつらしいのだが、確かに3時間という尺の長さ、キングコングというもう枯れてしまったヒーローが題材というところが原因なのかもしれない。
だが、個人的には3時間はあっという間だったし、豪華絢爛な映像の洪水を観ることが出来ただけでも1200円の価値はあった。
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by waldo_pepper | 2006-01-06 12:02 | 映画の感想
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