最近のCG技術の進歩は素晴らしく、邦画といえども、映像表現上の技術的な壁は殆どなくなってきている。それがこのような企画を生んだ土台にもなっていると思う。
これは原作があるようなのだが、昭和ノスタルジーがブームになっているというのも映画化を後押ししたのだろう。 ただ、この物語の舞台が昭和33年である必然性はあまり無いように感じる。もちろん六ちゃんの集団就職や、三種の神器をめぐるドタバタはこの時代ならではのものではあるけれど、だからといってこの物語のテーマと大きな接点があるようにも思えなかった。 しかしながら、「この時代はこんな世界でした博覧会」に終わらないだけの人々のドラマは描かれていたと思う。 それから淳之介はやはり社長の家にもらわれていくのだと思っていたが、ちょっと裏切られた。あのまま竜之介が突き放して彼と別離しても、淳之介の人生は色々あるだろうけれでも、彼の人生をしっかり歩んでいけたんじゃないだろうか。そのくらいほろ苦くてもよかったんじゃないか。 さて、エンドロールの後、茶川君、淳之介はどうなったんだろう、鈴木オートは発展したのだろうか、六ちゃんは幸せな結婚をしたのだろうか、ヒロミは幸せになったのだろうか、と想像が膨らみ、心地よい余韻の残る物語であった。 #
by waldo_pepper
| 2005-12-01 09:40
| 映画の感想
非常に長い夢だった。でも残念ながら前半を思い出せないのだ。思い出せるところから書く。
ここは何処かのライブハウス。ここで大人気のバンドのライブの日だ。このバンドはプロではないのだが、このライブハウスでは絶大な人気を誇っており、チケットを確保するのも大変らしい。 ところが、このバンドが解散するという。 今日はそのメンバー2人が、ステージに立ってその思いをファンに話している所だ。彼らは30代~40代くらいだろうか、痩せていて髭をたくわえ、ただ者でないオーラを放っており、イスに座って間近に陣取るファン達と親しげに何か話をしている。 僕と女性、そして僕の友達のなぜか役所広司は観客に混じってその様子を眺めていた。僕らはまだ大学生なのだが、もうすぐ卒業なのだ。 すると役所広司は何を思ったのか前に歩み出て、ライブハウスのマネージャーらしき女性にこう話し掛けた。 「僕はね、役者になろうと思うんですよ。エンターテイナーにね」 マネージャーはおかしそうに「あら、そう」と言った。 僕は彼がこのまま卒業してサラリーマンになると思っていたのでびっくりした。 役所広司はそのままステージにスタスタと歩くと、スポットライトの前に立ち、くるりと観客のほうに振り返った。 するといつの間にか彼は派手なラメのスーツに身を包み、頭髪はポマードでがっちり固められていた。 ドリーショットのように視点がずーっと下がっていくと、今までいた観客は消えうせ、退屈そうな数人の客が所在なさげに座っていた。 いつの間にか時は来年の4月になり、役所は就職もせず、エンターテイナーを目指してこのライブハウスのステージに立っているのだ。 彼はマイクを取り、思い切り表情を崩すと、歌を歌い始めた。 僕は席の後ろの方でその様子を眺めていた。 数人の観客達は全く反応せず、退屈そうだ。 一人の客が、役所の歌など無視してライブハウスに居付く猫をあやしている。 客は猫を抱きかかえると、あごを撫でる。 猫は気持ちよさそうに目を細めている。 「気持ちいいかい?」 「ニャーン」 「そうか、気持ちいいか」 「・・ニャーン」 僕も一緒になって猫のあごを撫でた。 「お前、幸せそうだな。悩みなんか無いだろ」 「ニャーン」 猫は喉をゴロゴロと鳴らした。 ステージでは相変わらず役所広司が歌を歌っている。 #
by waldo_pepper
| 2005-12-01 09:38
| 昨夜見た夢
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